脳梗塞は高次機能障害を発症しやすく、退院後も排泄に問題を抱える方が少なくありません。

母が最初に脳梗塞を発症したときは後遺症もさほどなくリハビリパンツ(紙おむつのパンツ型)を使うことが無かったのですが、2回目の発症以降からリハビリパンツが必要になり、日常的にはいていました。

本人の尿意は、まだありましたが怪しいこともあり、促してトイレに行くと既に漏れてます~の状態が珍しくはなかったです。

回復期リハビリ病院を退院後、かかりつけ医に受診をするようになって3回目にその日はやってきたのです。

紙おむつを忘れて非常事態発生

診察を待つこと40分ぐらいだったと思います。

母が「トイレに行きたい」を言いました。

「エッ!トイレ?」「さっき寄ってから出かけて来たのに…」「もしかして大きい方???」

待合室の近くにトイレがありましたので、車いすを押して連れて行きました(普段は歩行器で歩いてますが、診察時は移動に時間をかけたくないので車いすを使用しています)。

母を便器の前に立たせてズボンを下ろそうとしたとき、例のにおいが漂ってきました。

そうです。間に合わなかったのです。

「マズイ!替えのパンツ持ってきていない!」

尿なら多少濡れてもパットを取ればサラサラの状態に出来るので不快な思いをすることはありませんが、大きい方となると汚れた部分は交換しないわけにはいきません。

幸いここは病院!売店がある!母をトイレの中に待たせたまま、売店に走ってリハビリパンツをゲット(いつも買ってるものより倍ぐらいのお値段でした)母の待つトイレに猛ダッシュ。

その間、診察の順番が来たらしく呼ばれておりました。「すみません、トイレです~」と向こうの方から叫んでました。

何とかパンツ交換も済みましたが、ひや~焦りました。ずっと母をトイレで待たせている間、一つしかない多機能トイレを占拠していたわけですし、待合室は空いてきてはいましたが本当に焦りました。

近くだと思って油断していた

かかりつけ医は家から車で10分ぐらいのところにあり、診察は予約制で予約時間の30分前ぐらいに家を出発し、病院に着いて30分~1時間ぐらい待って診察を受けて、お会計を済ませ帰宅するとだいたい家を出発してから2時間後ぐらいには家に着いてるかんじでした。

出発前にトイレによって新しいリハビリパンツに履き替えて、帰宅後トイレに直行することで特に問題なくやり過ごせたのが過去2回の診察日でした。

なのでその日も、もしかしたら病院でトイレに行きたがる?などとは想像もしなかったですが、今思うと逆に想像しない方があり得ないと冷静に理解が出来ます・・・

自宅で過ごしているとき本人がトイレに行きたいと訴えがなくても、大体3時間ぐらいの感覚でトイレに誘導すればことは足りていたので、近くの病院だし、2時間ぐらいの外出なら問題ないと思い込んでいました。

過去に問題がなかったので油断していた

過去2回の診察時も、当然替えのパンツを持っていくことはなかったのですが、何事もなくやり過ごすことが出来てしまったため、必要性を全く考えませんでした。

子育て中は紙おむつを持っていかないなんて有り得なかったのに、なぜ母の時は、「忘れずに持っていかなきゃ!」の思考にならなかったのか…

認知症になり排泄も上手くいかなくなったとはいえ、私の中では母は大人だから大丈夫と思うところがあったのでしょうか

とにかく、問題は発生しないだろうと油断をしていたのです。

教訓から導き出した7つ道具(オムツセットと呼んでいます)

この件以来、車には「お取替えセット」を積んだままにしています。

病院でのトイレの失敗から、育児の時とは違ったおむつ替えとなることを経験し、リハビリパンツ(紙おむつ)と一緒に用意しておくことでトイレでの処理がスムーズにこなせるものを挙げてみました。

紙おむつ(リハビリパンツ)

当たり前に用意するものですが、この当たり前が私は出来ずに焦りました。

最低2枚は用意したいです。小の後に大が来ることもありますし、何事があるか分かりませんので念のため短時間の外出でも2枚は持っていきます。

おむつパッド

普段からおむつパッドを使用している人は忘れずに持っていくと思いますが、普段使われていない方は、是非用意されると良いです。

出来れば家を出るときにパッドをあてることをお勧めします。

乳児は寝かせておむつ交換が出来ますが、大人は寝かせて交換が出来ないので立ったままリハビリパンツを交換しなければならず、ズボンの上げ下げ等手間がかかります。

小にしろ大にしろ、ちょっとしか汚れなかった場合はパッドだけ取り替えればよいので簡単です。

普段使われていない方も、念のためリハビリパンツを履いて出かける方もパッドの使用をお勧めいたします。

おしり拭き

尿だけなら何とかなりますが、大きい方となると拭かない訳にはいかないのですが、トイレットペーパーでは拭ききれないことがありますので、おしり拭きも併せて用意したいです。

絶対トイレに流せるタイプが便利です。

ポイッ出来るって楽ですよ~

使い捨て手袋

手袋がないと、どうしても自分の手の汚れを気にして、ちゃっちゃか処理が行えなくなるのです。

衛生面でもやはり外せないアイテムですね。

ビニール袋

汚れものを処理するのに出来れば2枚用意したいです。

1枚は汚れたパンツで、もう一枚は万が一服が汚れた場合に入れるためです。

母のかかりつけの病院は、トイレ内にビニール袋が用意しあるのですが、どこでも用意されているわけではないので持っていかれたほうがいいです。

もし、ビニール袋を忘れた場合、汚れたパンツはトイレットペーパーでグルグルにしてから捨てるようにして、間違ってもそのまま捨ててくることの無いようお願いします。

新聞紙

立ったままで行うオムツ交換は、ズボンを脱ぐときにどうしてもトイレの床にズボンが触ってしまいます。

私はこれがとっても嫌で、あの日以来必ず持参するようにしています。

新聞紙を足元に敷いて、その上に靴を脱いで立たせて、それからズボンを下ろして、パンツを替えるようにしています。

汚れたパンツを新聞紙にくるんでビニール袋に入れてポイしています。

酒精綿・消毒テッシュ

病院は消毒用の石鹸が置いてありますが、なかなか全ての状況で有るとは限らないので、常に持っていくようにしています。

手が洗えない時もありますから、忘れずに用意されると助かりると思います。

まとめ

「出物腫れ物所嫌わず」とは上手く表現していますよね。

高齢になると、特に介護が必要になると排泄のコントロールが上手くできなくなります。頭がしっかりしている人でもです。

外出時は家と違って、あらゆる状況に対応できる備えがありませんから、最低限用意出来るものは用意してなんとか切り抜ける策を身に着けると、外出も億劫で無くなると思います。

介護をしてもされても、外の景色を楽しむ時間が持てるとちょっとは介護も楽になるのではないでしょうか。