介護費用年金

将来の親の介護で一番の関心ごとは介護費用ではないでしょうか。

まだサービスを利用したことのない方は、どれくらいの費用がかかるのか実態がわからないので、どうしても不安要素の一つになってきます。

親の年金や貯えで賄えるのか?子供の私たちがいくらか負担しなければならなくなるのか?そんの悩みも、大まかな金額がわかると、心とお金の準備につながるかもしれません。

今回は在宅介護でサービスを利用したときの費用を我が家の実例をお見せしながら紹介したいと思います。在宅介護での費用は「介護保険サービスの費用」と、意外と見落としがちなそれ以外にかかる費用もありますので、参考にされてください。

「意外と掛からないもんだね!」と思われる方もいらっしゃると思います。実は私がそうでした。

施設に入居する際にかかる費用は別の機会に詳しくご案内いたします。

介護保険サービスの利用料金

介護サービスの利用料金は、同じサービスでも認定される介護度で料金が違ってきます。また同じ介護度でも身体の状況によって利用するサービス内容がまちまちなので、かかる費用も変わってきます。

更に、利用する施設の認可基準によっても多少前後しますので、あくまでも大まかな金額の目安であることを、あらかじめご理解いただけるとありがたいです。

介護度別支給限度額内の費用

介護保険サービスは、要介護度別に区分支給限度基準額(限度額)を設定しています。これは、限度額範囲内であれば、1割負担(収入によっては2割または3割)で介護サービスを利用できますが、限度額を超えた分は利用者の全額負担となる制度です。

 

居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額
要介護度 限度額 1割負担 2割負担 3割負担
要支援1 50,030円 5,003円 10,006円 15,009円
要支援2 104,730円 10,473円 20,946円 31,419円
要介護1 166,920円 16,692円 33,384円 50,076円
要介護2 196,160円 19,616円 39,232円 58,848円
要介護3 269,310円 26,931円 53,862円 80,793円
要介護4 308,060円 30,806円 61,612円 92,418円
要介護5 360,650円 36,065円 72,130円 108,195円

(2018年8月現在)

■地域により異なる場合がありますので、市区町村窓口やケアマネジャーにご確認ください。

 

この限度額には訪問サービス、通所サービス、短期入所サービス、福祉用具が含まれます。

ケアマネジャーさんとケアプランを立てる際は限度額で収まるようなプランを立てるケースが殆どです。ちろん全額負担にはなりますが、限度額を超えて利用することも可能です。限度額を知ると在宅で介護サービスを利用する費用の大まかな金額が掴めるのではないでしょうか。

限度額に含まれない費用

サービス利用の費用には限度額に含まれない料金がありますので、上記とは別に見積もる必要があります。

 

◇参考資料は厚生労働省の「区分支給限度額」からの抜粋です

 

更に、通所サービス(デイケア、デイサービス)や短期入所サービス利用時には保険が適用にならず実費で支払うものがあります。

  • 食事代
  • 紙おむつ代(デイサービスのみ)
  • 滞在費(短期入所サービスのみ)
  • その他個人の買い物など

要介護1・要介護4の実例

説明だけでは分かりずらいと思いますので、実際に掛かった両親の金額を例にお見せいたします。

 

要介護1の父と、要介護4の母の平均的な月の利用額になります。

介護保険適用のサービスには限度額に含まれるものと限度額に含まれないもので構成されており、合計額の1割を自己負担で支払っています。

プラス、保険が適用されない自費負担を足した金額が介護サービスの費用になります。料金体系の仕組みをご理解いただけましたでしょうか。 

我が家は私が在宅でほぼ介護をしているので、訪問介護サービス(ヘルパー)を利用しておりませんが、父の場合はその分福祉用具のレンタルも充実させていますので、要介護1の限度額にほぼ近い内容で利用しています。

実例を見ていただいて、在宅で介護サービスを利用した際の費用が大まかに掴めたでしょうか? 

介護保険サービス以外の出費

通院費などの医療費

介護に掛かる費用以外にみておきたいのが医療費です。

身体の状況によって掛かる医療費は全然違ってきますが、こちらも両親の例を挙げておきます。

父:ペースメーカーを挿入中で8週に1度の心臓外科への受診と、定期的に歯医者へ通院をしています。心臓外科が概ね3,000円~5,000円、歯医者は500円~1,000円です。

母:脳梗塞後遺症で8週に1度の内科受診を行い、2,000円~4,000円です。

上記の金額は、行う検査によって金額が変わってきます。診察と投薬のみですと、父が3,000円、母が2,000円前後です。

あくまでも状態が安定しているときで、その間、目眩がする!お腹が痛い!風邪ひいた!などの訴えによりイレギュラーで診察に行くときがありますが、医療費も1割負担なので、2,000円から3,000円前後です。

紙おむつなどの消耗品

意外と金額が行くのが紙おむつ代です。

母は脳梗塞後に認知症になり、排泄に多少問題があります。常時紙おむつ(リハビリパンツ)を使用していますが、オムツパットと併用で、オムツが約50枚/月、オムツパットが約130枚/月で、合わせて6,000円ぐらいかかっています。

トイレへ誘導するようにしているので、毎回行くたびに交換するわけではないのですが、意外とおむつ代ってかかりますね(おむつ代は補助を受けられる場合があります。市区町村の窓口にお尋ねてみてください)。

それから、金額にするとわずかではありますが、介護生活になって消費量が増えたのは、洗濯洗剤と漂白剤です。トイレの自立が難しくなり、洗濯物が増えたからです。尿の臭いは漂白剤を使うとスッキリ取れるのでセットで使用する量が増えました。

使い捨て手袋、ウエットティッシュ、トイレットペーパー、エタノール消毒液は使用量が明らかに増えたものです。

まとめ

いかがでしたか?在宅で介護をするなら、介護にかかる費用は年金で賄えそうではないでしょうか。

介護によって逆に減るのは、本人たちのお小遣いです。活動的でなくなった分、お金を使うことがなくなりました。というか母はほぼ物欲がなくなりました。

お小遣いで使っていた分が介護費用にまわったかんじです。

やがて施設に入所する時期が来るかもしれません。在宅での介護生活はまだ年金でやりくりできる金額ですが、入所となると、出費の額は大幅に増加します。

実際どうなるかわかりませんが、年金で十分賄える在宅中に、少しでも備えにまわしたいと考えています。