介護生活が始まる要因の第1位は脳梗塞です。
脳梗塞とは、脳の血管が狭くなったり、血管内の血栓(血のかたまり)が原因で詰まってしまい、血液の流れが悪くなり、酸素が届かず、脳の細胞が死んでしまい障害が起こる病気で、再発のたびに症状が悪化していきます。
脳梗塞は詰まった場所や詰まり方によってタイプが3つに分かれますが、特徴を理解してを予防をすることが大切だと考えています。いずれも原因疾患に高血圧が関与していることが多いようです。
脳梗塞の3つのタイプと、高血圧に対する具体的な我が家の成果をご紹介いたします。
脳梗塞の3タイプ
脳梗塞には発症する部位や症状で3つのタイプに分かれており、原因とされる内容にも若干違いがあります。
まずは、それぞれの特徴についてお話いたしますが、特に生活習慣病の持病のある方は要チェックです。
ラクナ梗塞
脳の極めて細い血管(穿通枝)が狭くなり、詰まって起こる脳梗塞で、日本人に多く見られるタイプです。以前は半数以上を占めましたが、最近は減る傾向にあります。
小さいものだと3~4㎜、大きいものでも15~20㎜と小さな梗塞です。CT検査では見つからずMRI検査で見つかることがあります。
余談ですが、父はペースメーカーが挿入されているので、磁気でおこなうMRI検査が受けられず、手足が何となくはばったいと訴えた時に行ったCT検査では梗塞が見つかりませんでしたが、「MRI検査なら映るかもしれない」と担当の医師に言われたことがあります。
高齢者に多い脳梗塞で、高血圧が最も注意しなけらばならない要因ですが、夜間や早朝に発症し、起床時に手足のしびれや力が入りにくい、言葉が出にくいなどの症状で気付くことが多いようです。
手足の麻痺などが出ない無症候性脳梗塞で日常には困らない人や、ゆっくりと症状が進行していく人が比較的多いのですが、再発が頻繁だと認知症の悪化や麻痺により自立が難しくなっていきます。
一番の危険因子である高血圧をコントロールすることが予防には最も重要になります。
アテローム血栓性脳梗塞
頸動脈や脳の太い血管に、動脈のアテローム硬化が原因で血栓が出来て、詰まってしまう脳梗塞です。
アテローム硬化(粥状硬化)とは、大動脈や頸椎動脈、冠動脈など太い血管壁の内膜に、コレステロールがお粥状に固まって起こる脈硬化症で、アテローム硬化が進行しダメージをうけると、血栓が出来やすくになります。
頸動脈や脳の太い動脈で、これらの血栓が徐々に血管を狭めて閉塞させたり(血栓性)、はがれた血栓が血液によって流され脳血管を詰まらせたり(脳塞栓)して脳梗塞になります。脳塞栓は比較的症状が重いといわれます。
元々欧米人に多く見られる脳梗塞でしたが、日本人の食生活の変化で、アテローム血栓性脳梗塞の危険因子とされる高血圧症、糖尿病、脂質異常症の増加に伴い、日本人の患者数も徐々に増加してきています。
脳梗塞の前兆と言われる「一過性脳虚血発作」を4割の人が発症しており、兆候が見られたら症状が治まってもすぐに受診することをお勧めします。
主因となる高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をフルで抱える人は要注意です。治療は併せて行う必要があります。
心原性脳塞栓症
心臓で作られた血栓が脳の動脈に運ばれ血管が詰まって起こる脳梗塞です。
心房細動(脈拍が不規則に乱れる不整脈)などの疾患で、心臓の動きが悪くなると血液の流れが滞り、血液が固まりやすくなって血栓が出来やすくなります。この血栓が血液を通して脳まで運ばれ、脳動脈を詰まらせて脳梗塞を起こします。
他の脳梗塞は生活習慣病の悪化により動脈硬化症が徐々に進行して脳梗塞を発症しますが、心原性脳塞栓症は前触れなしに突然発症し、梗塞の範囲も広いため、重い症状が出やすく急激に意識障害に陥り死に至ることもある非常に危険な脳梗塞です。
心房細動の他に心筋症、心筋梗塞などの心臓の病気が原因で血栓が出来やすくなりますが、高血圧で重症化しやすくなります。
最高血圧150が120に
ラクナ梗塞になった母は長いこと血圧が高めでした。
脳梗塞を予防するには血圧の管理が最も重要な対策の一つですが、結婚する以前の主人の最高血圧は140前後で時には150になることもあり、30歳の男性にしては高めで、要観察状態でした。
その主人の血圧が結婚後、120前後でまで下がって、25年以上経っても落ち着いています。要因は食習慣が変わったからだと思います。
急性腎炎の後遺症?
主人は小学生の時に、急性腎炎で入院したことがあります。
その影響か独身時代は最高血圧が140~150mmhgでした。
確かに、顔色が余り良くないような気がしていたのですが、なんとなく日焼けとは違う黒さだったのです。
腎臓が上手く機能しないと、体内の老廃物を排出する機能に支障が生じ、血液中の水分が通常より多くなることで血圧が高くなることがありますが、主人の場合も腎臓から来ていたのか、健康診断で腎臓機能を指摘されたことはないので定かではありませんので、あくまで私の推測です。
高血圧は食事で下がる
私は元々濃い味が苦手で、塩気が強いと後頭部が痛くなるので、冷ややっこにもお浸しにもお醤油もかけずに食べますし、とんかつにもソースをかけたことが無いほどです。
基本素材の持つ味で十分おいしく食べられる嗜好なので、塩や醤油を使う量も少なく父には「お前の作る料理はまずい」と何度となく言われておりました。
当然結婚してから作る料理も、それはそれは薄味で主人も結婚当初は、お醤油やら塩やらをかけて食べるほどでしたが、次第に慣れてきたのか、出された料理に塩気を加えることなく食べるようになったのです。
毎日味の薄いお弁当を持参し、夜は自宅で食事をするようになり、2、3年が立つ頃には、なんと時には150mmhgあった最高血圧は120前後にまで下がっていったのです。
運動好きの主人は、独身時代から休日に仲間とスポーツを楽しんでおりましたので、劇的に変化したのは食習慣です。
結婚後に私の嗜好で作る塩気のないマズイ?料理が血圧に功を奏したようです。
舌は間違いなく薄味に慣れます。濃い味に慣れていた主人も、今では外食の味付けを濃いと言うようになりました。
私が料理をしていて、「しょっぱいなー」と思うものを挙げてみました。参考になるかもしれません。
- 市販のドレッシング(基本使っていないけど、使うときは酢で薄める)
- 顆粒のだしの素(意外と塩分が多く要注意なので、使ってないです)
- 固形のカレールー(味が濃いので、半分はカレー粉を使います)
- シューチューの素(初めて使った時に余りのしょっぱさに以来使ってません)
- 焼きそばに添付のソース・ラーメンのスープ(半分から2/3だけ使うか、お湯をいっぱい足します)
- レトルトの素(殆ど使いませんが、使うときは表示の半分量)
- ウインナソーセージ・ベーコン(湯がいてから使います)
- 食塩(自然塩はミネラルが豊富でナトリウム排出されやすいようです)
基本、ある程度でき上がっているものは味が濃く作られているので、パッケージに書いてある分量よりも少なめに使います。
まとめ
高血圧が原因となる疾患はたくさんあります。放置するといずれも深刻な事態を招いてしまいます。
母も脳梗塞の再発で認知症になり、常時見守りが必要になりました。以前から高血圧症だったので、最初に脳梗塞を起こした後は血圧を毎日計測し、服用により血圧はコントロールされておりましたが再発してしまいました。
原因は一つではなく複合的に絡み合った結果でおこることも理解はしていますが、やはり「なんで?」という気持ちで、改めて病気の把握に努めております。病気をきちんと理解することが予防の第一歩と考えております。
次に知り得た情報を実行していくことが必要ですが、負担にならず無理なく続けられる方法をみつけて、継続していきたいですね。