脳梗塞により排尿障害になる人は珍しくなく、尿意はあっても間に合わなかったり、尿意も無くいつの間にか漏れているなど、脳梗塞の程度にもより状況は様々ですが、母の場合は万が一漏れた時の保険的な使い方が紙おむつデビューでした。
気になるのが紙おむつ代ですが、我が家の1ヶ月の費用は約6,000円です。安い方だと思います。少しでも紙おむつ代が節約できないだろうかと、試行錯誤しましたが、この金額で落ち着いています。
今回は馬鹿にならない紙おむつ代を節約する方法をご紹介します。
目次
紙おむつ代の節約に公的制度を活用する
公的な制度を利用することで、紙おむつ代を節約することができます。
現物給付(おむつの支給)
紙おむつの助成事業は市区町村によって、助成の仕方が違います。
現物給付は紙おむつが直接送られてくる制度です。紙おむつはかさばるので、宅配をしてくれる制度は非常に助かりますよね。
条件としては、要介護1~5までの人が対象で、上限が設けられているのが一般的です。申請は介護保険担当窓口か、地域包括支援センターでも相談に乗ってくれるようです。
現金給付(使った分の現金を支給)
現金給付は、既に支払った紙おむつ代に対して、現金で支給される制度です。
レシートで処理してくれる自治体もあれば、領収書が必要な自治体もあります。購入業者が指定されている所もありますので、事前に確認をされた方がよさそうです。
こちらも、要介護1~5が対象で、上限は5,000円~10,000円の間が多いようです。
母の居住地の助成は現金給付で、上限が5,000円です。先述したおむつ代6,000円から助成分5,000円を引くと、実際に掛かっているおむつ代は1か月1,000円ということになります。非常に助かります!
助成を受けるのに、負担金を設けている自治体もあります。詳細を介護保険担当窓口に問い合わせされてください。
確定申告の「医療費控除」
年間の医療費が10万を超えると、確定申告時に医療費控除を受けることが出来ますが、紙おむつ代も医療費控除の対象となります。
ただし条件があり
- おおむね6か月以上寝たきり状態にあること
- 治療上おむつの使用が必要であること
として、医師による「おむつ使用証明書」の発行が必要とされています。
該当しそうな方は、最寄りの税務署にお問い合わせください。
使い方の工夫で紙おむつ代を節約する
紙おむつは使い方次第で節約することができます。
人によって尿量や回数が違うので、まずはいろいろな商品を試してみることをお勧めしますが、母を一例にお話ししたいと思います。
無駄遣いを無くすために紙おむつの表示にある「〇回分」を知っておく
まずは、正しいサイズと吸収量を把握することで、無駄な使用を防ぐことが出来ます。
大人の平均尿量は150mlと言われていますが、正確に尿量を知りたい方は、「尿量の調べ方」で検索すると、各おむつメーカーや介護の情報サイトなどで調べることが出来ますので、参考にされてください。
表示が義務づけられている紙おむつの使用目安ですが、「回数」と「尿量」がセットで表記してあります。(尿量が表記されてないメーカーは150mlを目安にしているようです)
「2回分/150ml」は1回の尿量が150mlの人には2回分を目安にご使用いただけます、という意味で、「5回分/200ml」の表記なら、尿量が200mlの人の5回分の尿の吸収が可能ということです。
母の場合は、試した結果、昼夜問わず、メーカーも問わず、お店で一番単価の安いMサイズの「2回分」の紙おむつを使用しています。
実は、当初S サイズだったのですが、介護生活になったらお腹周り・腰回りが成長してしまい、S サイズでは、独りで上げ下ろし(正しく履けているかの確認は必ず私がしますが、出来るところまで本人にやってもらってます)が難しくなり、スルスルっと履けるMサイズに変更しました。サイズが上がると、隙間が出来やすくなり漏れの心配が生じますが、こちらもクリアでした。
ちなみに各社の紙おむつに共通ですが、便には対応してないので、便が緩く便の漏れも防ぎたい場合は、専用の物が必要になります。
「おむつ」と「パッド」を使いわけるとコストが半分になる?
初めて紙おむつを使用する時は、パッドを使ったほうがよいのかどうかわからないと思います。
母が使い始めた頃はパッドを使用していませんでした。
しかし、パッドを上手に使いこなすことでおむつ代が半分になることだってあり得るのです。
紙おむつの上にパッドを敷いておけば、失禁しても通常はパッドのみを交換すれば十分です。パッドのお値段はおむつの1/2~1/3程度ですので、コストパフォーマンスがグッとよくなります。
更に、紙おむつはズボンを脱がないと交換できませんが、パッドはその必要がないので、トイレ介助も楽になります。
そして、そして、とても重要なのがパッドの使い方です。が、その前に…
各紙おむつメーカーは、最低でも1日1回は汚れていなくても交換を推奨しています。衛生面を考慮してのようです。
単価の高い紙おむつは最低使用枚数の1日1枚を目指して、パッドのチョイスの仕方や使い方を、母の例でお話ししますので、これが全員にお勧めとは言い難いのですが、参考に試されてみてください。
まず、起床時に新しい紙おむつとパッドに交換、昼食前に必要ならパッドの交換、午後1度必要ならパッドの交換、夕食前に必要ならパッドの交換、就寝前にパッドの交換で、使用するのは紙おむつ1枚に、パッドが最高で5枚、最低で2枚になります。
汚れていなければ、パッドも交換しませんが、就寝前は吸収量の多いパッドに交換するので、最低2枚になります。
就寝前のパッドの選び方には苦慮しました。母は夜間目を覚ますことがなく、朝まで爆睡するタイプで、吸収量がタップリのパッドが必要になるのですが、市販されているパンツ型に使えるパッドの吸収量のマックスは4回分で、とてもとても間に合わなかったのです。
紙おむつ(パンツ型)には7回分吸収する優れものが市販されていますが、就寝前に取り替えると、目指す1日1枚の目標が実現できなくなってしまいます。だったら、7回分吸収で1日過ごす方法もありますが、7回分は高いし、厚手でモコモコするから使用感がいまいちなのです。ですから何としてもパッドの工夫が必要だったのです。
それなら、2枚重ねで使ったらどうか?と思ったのですが、どうやら2枚重ねはパッドの構造上あまり効果が得られないようです。
テープで留める紙おむつのタイプには、マックス10回分のパッドが市販されていますが、パンツ型のオムツにあてると、隙間ができてしまうのか漏れることがしばしばで、やっぱり上手くいきませんでした。
しかし、試行錯誤すること数回、テープで留めるタイプのパッドを使用しても漏れなくなったのです。
漏れを防ぐには、オムツに付いているギャザーがしっかり立ち上がるように、パッドがギャザーの内側にきちんと納めてあてると漏れが防げるようなのです。
テープで留めるタイプ用のパッドは大きめに出来ていて、とてもパンツタイプのギャザー内には収まらないのですが、両サイドを下に折り込んで上手くギャザーに収めると、朝まで漏れないことに成功したのです。
今は6回分吸収のテープタイプ用のパッドに落ち着きました。さすがに10回分までは必要ないようです。
果たしてこの使用方法が正しいかどうかは定かではありませんが、我が家ではこうして紙おむつの使用目標1日1枚をクリアしました。
おむつを汚さない工夫
そして、おむつやパッドの使用枚数を減らすには、汚さないのが一番です。
そのために、本人の尿意の訴えが無くても、トイレの誘導を時間を決めて行うことで、失禁せずにトイレで排尿が出来ると、結果使用枚数を減らすことができます。
座りっぱなし防止と歩行訓練のリハビリにもなります。
余談ですが、誘導してトイレに行くと、なかなか尿が出ないのでしばしトイレの前でぼーっとすることがあります。それと、トイレに行きたくないと文句を言われます(笑)。
まとめ
おむつ代には出来るだけ掛けたくないとの執念からいろいろ試してみました。
しかし、母の協力というか、嫌がらずに様々なタイプを試させてくれたことに尽きると思います。
おかげで紙おむつのコスト抑えることが出来ています。
もし、良い方法をお持ちの方は是非お聞かせいただけませんか。また皆さんとシェアしたいと思います。