私が両親の介護をする前から、父はデイサービスと訪問リハビリの介護サービスを利用していました。脳挫傷後に脚に大怪我をし、杖歩行になったのをきっかけに、機能訓練に力を入れてるデイサービスを利用することと、週に1回の訪問リハビリをお願いしたのです。

利用開始時は、介護サービスの利用の仕方も分からず、健康福祉課に相談することから始めたのですが、その後、母が脳梗塞を患い、私の介護生活が本格化し介護サービスの仕組みも理解するようになって、改めて感じるのは、介護生活は、介護サービスを上手に利用することで、両親と私の双方の負担を相当減らすことが出来る!、ということです。

私の経験から介護サービスを利用する際の秘訣をお話します。

介護サービスの満足度はケアマネさんとのお付き合いが鍵

介護サービスを利用するには、ケアプランの作成が必要になります。どんな介護サービスを利用するかの計画書みたいなもので、自分で作成することもできますが、素人にはとても大変な作業ですので、ケアマネジャーさんにお願いしましょう。

このケアマネジャーさんとの付き合い方次第で今後の介護生活の環境や本人の状態、そして家族の負担が全然違ってくるのです。

何でも話して、納得のいくケアプランを作成してもらう

これから介護サービスを利用す人は、どのようなサービスがあるのかよく理解出来ていないと思いますので、事前に下調べをお勧めします。

ある程度情報を持ってケアマネジャーさんと相談されたほうが、満足いくプランが出来るからです。

デイサービスとデイケアの違いや、訪問サービスの種類など、現在の介護度に合わせて利用出来るサービスを知ることで、ある程度イメージをしておくことが出来ると思います。

それから、現状の困りごとを洗い出す作業を行いましょう。例えば日中の食事の用意や薬の管理、夜間の介護、機能(言葉や手足の障害)の回復、や福祉用具(手すりや、歩行器など)など、生活上で現在不便を感じていることや、障害が生じてる機能の期待する改善状態をまとめておきましょう。

現状をケアマネジャーさんにお伝えすると、使える介護サービスや希望に沿うデイサービスの紹介、ヘルパーさんの利用の仕方やショートステイの利点など、具体的に教えていただけます。

どんな些細な事でも不明な点は何でも質問をして、納得のいくケアプランを作成してもらいましょう

父の時は、脚のリハビリに重点をおいてサービスを利用したかったので、デイケアを希望していましたが、送迎付きが無かったので、機能訓練に力を入れているデイサービスの施設を紹介してもらい、2か所を併用して利用していましたが、落ち着くまで2回も施設を変えています。不安に感じたら、違うなあと思ったらその都度ケアマネジャーさんに相談して、ケアプランを見直してもらい、納得いく内容で利用したいです。

厚生労働省「公表されている介護サービスについて」

ケアマネジャーさんと良好な信頼関係を築く

これまで、ケアマネジャーさんが何人か変わりましたが、理由は全て担当者の退職によるものです。何人かのケアマネジャーさんとお付き合いして感じたのは、同じ事業所でもケアマネジャーさんのスキルはマチマチであるということです。

我が家は2人目に担当してくださったケアマネジャーさんがちょっと残念だったので、事業所に変えていただけないか相談しようと考えていたところ、「退職するので担当者が変わります。」と先方様からお話があり、正直「やったー!」と喜んだというエピソードがあります。

相性が良くなかったり、不安が生じた場合は、事業所に相談して担当者を変更していただくとか、事業所自体を変えるのは長い長い介護生活を送るうえで当然ありで、信頼のおけるケアマネジャーさんと良好関係を築いていくのが良いと思います。

しかし、ケアマネジャーさんは何でも屋さんではありませんし、人間ですから、無理難題を押し付けたり、こちらの努力もせず、丸投げをするような態度では、良好な信頼関係を築くことは難しいと考えます。

あくまでもお願いする立場で、知らないことは教えていただく、都合はお伺いするという姿勢を決して怠ってはならないと考えています。知人に「我が家の担当者は使えない!」と言っていた人がいたのですが、話を聞くと、「困っているから何とかしろ」的なかんじだったので、それはケアマネさんが気の毒じゃない?…なんてことがありました。

良好な信頼関係が築けると、不安な点は遠慮なく相談が出来るようになりますし、ケアマネジャーさんってそこまでやってくださるの!というところまでしてくれます(あくまでも私個人の感想ですので、お含みおきください)。必要であろう情報を漏れなくいただけますし、まめに現状確認の連絡もいただけます。相談は迅速に対応して頂いており大満足です。

絶対外せない訪問サービス

在宅介護は介護サービスを使い倒す勢いで利用することで、介護の負担が大幅に減るのではないかと思います。当然利用すれば費用が掛かるのですが、それに見合う快適さを手にすることが出来ると思います。

我が家は常時私が在宅で介護が出来る環境を無理やり作ったので、ヘルパーさんは利用しておりませんが、リハビリやデイサービス、福祉用具等で父は介護保険で利用出来る上限ギリギリまで利用しています。

訪問サービスの利用の仕方が分からない方も少なくないようですが、訪問サービスはとっても勉強になりますので、必ず利用したほうが良いと考えています。

訪問リハビリは活用したいサービス

絶対利用してほしいサービスの一つが「訪問リハビリ」です。

「訪問リハビリ」とは、理学療法士または、作業療法士が自宅に訪問してリハビリ指導を行ってくれるサービスで、毎回身体チェックを必ず行い、身体の状態を確認します。

家族が気が付かない、些細な状態の変化を見逃さず、アドバイスがもらえたり、状況に合わせた介護サービスの提案もしてもらえます。

例えば、日常で出来るリハビリの指導はもちろんですが、家のリフォームを考えるにしても、理学療法士や作業療法士の方が相談に乗ってくれてますから、身体の状態に合った最適な環境づくりの参考になりますし、、必要な福祉用具の意見をもらうことも出来ます。

高齢者にとって心配なのが、嚥下機能低下による誤嚥性肺炎ですが、嚥下機能の訓練をお願いするだけの利用方法もありますし、今後の見通しや現状での注意点や、その他もろもろ実際に合った指導や情報は、先の見えない介護生活の励みになります。

通所サービスですと、通常送迎時にあいさつを交わす程度ですが、訪問サービスは、しっかり話をする機会が増えるので、いつでも相談することが出来るのです。常に状態を観察してもらえる安心感がありますので、週に1度は利用したいサービスです。

訪問リハビリを利用すると、3~4か月に1度ぐらいの間隔で訪問看護が義務付けられました。看護師の訪問もまた違った意見がもらえて心強いです。

そして参考までに、訪問リハビリ又は訪問看護を利用していると、確定申告で介護費用が全額控除に使えるのです。通所サービスや訪問介護の費用もです(通所サービスや訪問介護のみでは申告不可)。

訪問看護は状態が安定していれば必要ない?

状態が安定していない場合や、何らかの処置を行っている人で、看護師の訪問が必要な状態の方もいらっしゃるかと思いますが、私個人の意見では、状態が安定したら回数を減らすとか一旦お休みするとかを考えてもいいかなと思います。

我が家や訪問看護を利用したことが無いのですが、理由は介護保険よりも医療保険の方が安いからです。もし医療的な相談が欲しい場合は診察時に医師や看護師に相談をするようにしています。

訪問看護は週1で利用すると意外と費用がかさむので、その分他のサービスに回したいと思ってしまうのです。

あくまでも両親の状態が安定しているからなのですが、訪問リハビリを利用すると訪問看護が義務付けられているので、3~4か月に1度、看護師が訪問されます。

現状はそれで充分ではないかと考えています。

まとめ

介護サービスを利用する前は、どのように利用したらよいのかわからず、ケアマネージャーにケアプランを作成してもらうことも分からず、健康福祉課に相談することからはじめました。

当時は介護サービスの種類も内容も理解しておらず利用しきれていませんでした。

ケアマネジャーさんとのお付き合いが長くなるに連れて、信頼関係が出来てくると、介護サービスの利用も徐々に増えていき、同時に介護の負担も軽減されていきました。もちろん生活のリズムが出来てきたこともありますが、訪問サービスやデイサービスも本人に合ったサービスを見つけることもできました。

プロの力を借りて、介護サービスを十二分に利用が出来れば長い長い介護生活が少し楽になるのではないでしょうか。